しじみに含まれる亜鉛が身体に与える影響は？

体に必要な栄養素のひとつに「亜鉛」があります。

亜鉛は身体を構成している皮膚や骨、筋肉、肝臓などに含まれていて、約300種類ほどの酵素の構成成分であり大変重要なミネラルです。

亜鉛と言えば、牡蠣が真っ先に頭に浮かびますが、しじみに含まれる亜鉛も侮れない点があります。

ここでは亜鉛がなぜ必要なのかをはじめ、どのくらい必要なのか、足りないとどうなるのか、しじみはどのくらいの亜鉛が含んでいるのかなどについて紹介していきます。

亜鉛は全身の細胞内に存在し、体内に侵入してきた細菌やウィルスから身を守ります。
また、タンパク質の合成に必要な酵素に含まれていて、細胞分裂を活性化させる大切な働きをします。

細胞分裂が盛んにおこなわれるのは出産前の胎児、乳児期や小児期などの成長が著しい期間です。
この時期の妊婦や子どもには普段より多くの亜鉛が必要になります。

それ以外の時期にも新陳代謝は常に行われているため、亜鉛は必要不可欠な成分なのです。

では、そんな亜鉛が不足すると身体にどのような影響が出るのでしょうか。
身体全体の細胞に含まれているため、不足した箇所によってそれぞれの症状が出てきます。

胎児から小児期に至るまでの成長期に亜鉛が不足すると、新しい細胞が正常に生成できないため、成長障害を起こす原因になります。

味覚を感じる味蕾は新陳代謝が活発なため、亜鉛不足によって味蕾が減少し味覚障害を引き起こします。

亜鉛は免疫機能のある細胞にも影響するので不足すると免疫力の低下をまねき、感染症にかかりやすい状態となります。

毛髪、爪、皮膚の細胞にも亜鉛が含まれており、不足するとやはり影響を与えます。
脱毛をはじめ、爪や肌が荒れて正常な状態を保てなくなります。

ケガが治るのはその箇所の皮膚や血管など損傷部分の細胞が再生されるためで、亜鉛が不足すると再生力が低下して治癒までの時間がかかる原因になります。

亜鉛は男性の生殖機能に大きく関係しています。
亜鉛不足は不妊や男性器の機能不全などの原因となります。

亜鉛は体内では生成されないため、食事から摂取する必要があります。

1日に必要な摂取量は年齢や性別により異なります。
厚生労働省によると、生後6か月で2mg、以降成長に伴って徐々に摂取量は増加し、成人男性で11mg、女性8mgとされています。
妊婦および授乳婦の場合はこれよりさらに4～5mg多く摂ることが必要です。

亜鉛は過剰に摂取すると、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、頭痛などさまざまな症状が現れます。
1日の摂取上限値も年齢により異なりますが、成人の場合、男性で40mg～45mg、女性は35mgとされています。

さらに長期に過剰摂取した場合、免疫力の低下、HDLコレステロール（善玉コレステロール）の減少、銅の減少などの問題が生じる危険性があります。

しじみに含まれる亜鉛の量は100g当たり2.1mgです。
同じ貝類の牡蠣と比べると含有量は少ないですが、しじみにはこの他にもビタミンやアミノ酸などの栄養がバランスよく含まれているので、身体に良い食品として昔から食べられています。

亜鉛は摂取しても身体に吸収されるのはわずか30％程度しかありませんが、ビタミンCやクエン酸を一緒に摂ることで吸収率を上げることができます。
これらを多く含む梅干しやレモン、イチゴなどを一緒に摂るようにしましょう。

毎日必要量を食事のみで摂取するのは難しいかもしれません。
そんなときはサプリメントをお考えの方も多いと思います。
亜鉛が含まれるサプリメントは単体のものもありますが、マルチビタミンやミネラルのサプリメントにも含まれています。

サプリメントの中でも、「しじみエキス」がおすすめです。
しじみそのもののエキスなので、しじみの成分が凝縮されていて、亜鉛と組み合わせて獲れば効果がある栄養や、オルニチンなども含まれている優れものです。

しじみを使った料理もインターネット上でいろいろ紹介されていて、かつてはしじみの味噌汁や佃煮くらいしか見当たりませんでしたが、今では食卓の1品として挙げられるほどレパートリーも増えてきました。

そうは言っても毎日は難しいとお考えの方に、「乾燥しじみ」をおすすめします。
乾燥しじみは調理に使える他に、そのままでも食べられるので、お子様のおやつに、お父さんにはお酒のおつまみにすれば、毎日食べることができるようになります。

亜鉛不足解消に乾燥しじみを利用してみてはいかがでしょうか。