しじみの旬は産卵期!
しじみは1年中販売されているので産卵も1年中行われていると考えている人も多いのですが、産卵の時期は決まっていて、その時期が旬で、身も大きく、味も栄養も最高です。
しじみの産卵の時期はいつなのかを知ることで、おいしい時期のしじみを味わうことができます。
ここではしじみの産卵期について詳しく紹介します。
しじみの産卵と成長過程
しじみは雌が一度に数十万個の卵を出水管から水中に放出し、雄がそれに同じく出水管から精子を卵に放出することで受精します。
産卵期になると、雄と雌でそれぞれ内臓の色が変わっていきます。
雄は黄白色、雌は灰黒色になります。
受精した卵が孵化するまでは約1日で、この時期はトロコフォア幼生期と呼ばれます。
次にベリジャー幼生期と呼ばれる状態で10日ほど水中を浮遊します。
この時期にほとんどが魚に食べられて数が減ってしまいます。
生き残った幼生は殻ができて砂粒くらいの大きさの稚貝となります。
稚貝となってからは砂泥にもぐり、プランクトンや有機混濁物などを捕食して成長していきます。
しじみの成長はゆっくりで、3年で約2cm、5年で約2.5cmになっていきます。
また、水温も成長に影響しており、水温が20度~25度になる時期がよく成長します。
逆に12.5度以下になると成長が遅くなります。
運よく漁獲されずに成長していくと、殻長が5cmになることもあります。
しじみの寿命は明確になっていませんが、10年以上は生きていると考えられています。
しじみの産卵期は6月~9月~味も栄養もアップ!
日本全国に生息するしじみの産卵期は北と南で異なりますが、概ね6月~9月です。
産卵時期は水温が大きく影響します。地域ごとの気候の差によって水温の高くなる時期は異なるため、産卵期は南の地域の方が早くなり、北に行くほど遅くなります。
春から夏にかけては水温が上がり、しじみの生息する汽水域に流れ込む川の水にも山の栄養がたっぷりと含まれるようになります。その結果、餌となる植物プランクトンの量も増えていくのです。
産卵のために豊富な栄養を十分に吸収したしじみは身も詰まっていて、栄養価も高くなります。
栄養成分にはうまみ成分であるコハク酸なども含まれているので、味もこの時期が最高です。
ぜひ、この時期のしじみを味わってみてください。
旬のしじみは冷凍保存で!
産卵期のしじみは他の時期より味が良いので、冷凍して保存しておくことをおすすめします。
しじみは冷凍することでうまみ成分であるアミノ酸群が増加し、さらに味が良くなることが知られています。
生のしじみであれば1日~2日しかもちませんが、冷凍しておけば、味が良くなるばかりでなく1か月ほど保存できますので、おいしいしじみが長く食べられます。
1回に食べる分量に小分けにして冷凍保存しておき、いろんな料理で上手にしじみを食べましょう。