国内産しじみはどこで獲れるの?
しじみ汁や佃煮、炊き込みご飯としじみは日本人の食卓におなじみの食材ですが、そんなしじみはいったいどこで獲れているのでしょうか。
しじみは日本全国の汽水域に生息する二枚貝ですが、スーパーや魚屋さんに出回っているものの多くは、限られた産地のものです。
日本でしじみの漁獲量が多い場所は?
しじみの漁獲量が多い県の上位はだいたい決まっていますが、全国合計の漁獲量は年々減少傾向にあります。
原因は河口付近の埋め立てによる汽水域の減少、環境汚染、水質悪化などが挙げられます。
最盛期には全国で約5万トンあった漁獲量が現在では約1万トンにまで落ち込んでいます。
そんな中で漁獲量が多い県はどこでしょうか。
2016年の県別漁獲量の順位で紹介します。
島根県
島根県の漁獲量は2014年以降、約4000トン前後で、全国の約4割のシェアを占めています。
そのほとんどの漁獲量を占めているのが宍道湖で、2015年には島根県の漁獲量の95%が宍道湖産というデータがあります。
島根県はしじみの漁獲量の全国1位を不動のものとしていたかに思えますが、2011年に20年連続していたトップの座を青森県に明け渡しました。
その後、2014年に再び1位に返り咲きましたが、漁獲量は最盛期に約2万トンあったのが、現在では約4000トンまで激減しています。
青森県
2位は青森県で、約3000トンの漁獲量です。
十三湖や小川原湖が主な産地で、最も漁獲量の多い十三湖は日本海と岩木川が交わる湖です。岩木川から流れ込む豊富な栄養で育ったしじみは、他の産地のものよりアラニンやグルタミン酸という、うま味成分を多く含んでおり、おいしいしじみとして有名です。
1位の島根県と合わせると全体の約7割を占めていているので、皆さんが目にするしじみはほとんどがどちらかの産地と考えてよいかもしれません。
北海道
3位の北海道は、1位の島根県や2位の青森県と比べると少なく、年間1000トンに満たない漁獲量です。
2013年、2014年の3位は茨城県で、北海道は4位でしたが、年々漁獲量が増加して2015年、2016年には茨城県を抜いて3位になりました。
主な産地は網走湖のある網走市で、全体の約8割を占めています。
その他の産地としては、パンケ沼や天塩川下流の汽水域などがあります。
番外編
意外なことに、東京都がしじみの産地として第5位に位置しています。
かつては江戸前しじみと呼ばれて、荒川や江戸川下流の汽水域で獲られていましたが、最近は多摩川の水質が改善されたこともあって、しじみが生息できるようになりました。
しじみ日本一は山口県?
これまで紹介してきたように、しじみの漁獲量トップ3は島根県、青森県、北海道でしたが、実はしじみに関するランキングで山口県が第1位となる項目があります。
それは「出荷量」です。
山口県下関港はしじみの水揚げ量が多く、外国から輸入されるしじみも多くがここに水揚げされることもあって、出荷量が日本一となったのです。
しじみの産地の環境保全を!
しじみの漁獲量が減少傾向にあることははじめに説明しましたが、それに連れてロシアや中国などからの輸入量は年々増加しています。
しじみはきれいな環境で育ちます。
国内産のしじみを守るため、これ以上しじみの生育環境が悪化しないことを願っています。