しじみナビ

しじみの摂取制限が必要なのはどんな場合?

二日酔い防止や疲労回復に効果があることで知られるしじみは、しじみ汁やしじみの味噌汁もおいしくて、たくさん食べたい食品です。

しかし、しじみに含まれる成分の中には、摂取し過ぎると身体に悪い影響を及ぼすものもあります。

どんな成分が、どんな人に悪い影響を与えるのでしょうか。

しじみは栄養豊富な食品!

しじみにはさまざまな栄養が含まれています。

代表的なのは二日酔いの防止に効果があるといわれるオルニチンです。
オルニチンは遊離アミノ酸の一種で、肝臓の働きを活発にすることで、アルコールに対する処理も活発化します。
最近の研究ではその他にも疲労回復、成長ホルモンの分泌促進などの効果があることが分かってきました。

オルニチンの他にも赤血球の成分のひとつであるヘモグロビンの構成要素となる鉄や、疲労回復に効果のあるタウリン、ビタミンB群、亜鉛、カルシウムなどが豊富に含まれています。

しじみの摂取制限が必要な人は?

そんな豊富な栄養を含むしじみなので、できるだけ毎日食べるのが良いのですが、注意しなければならないことがあります。

それはしじみの摂取制限が必要な場合です。

肝疾患の人は要注意!

しじみに含まれる栄養成分のひとつである鉄は、ヘモグロビンを構成する成分と説明しました。摂取された鉄はヘモグロビンの生成に使われ、余った分は肝臓に蓄えられて必要なときに使われます。

ところが肝疾患(脂肪肝、肝硬変など)を患っている人は、鉄を蓄えるための調節機能が衰えて、過剰に鉄を蓄えてしまいます。

鉄が過剰に蓄えられると、活性酸素を大量に発生させることになります。活性酸素の増加は老化や生活習慣病、肝炎などの症状を引き起こし、細胞を傷つけたり、肝臓自身にもダメージを与えたりします。

摂取量は健康な人より少なめに

鉄の過剰摂取が身体に害を及ぼすことは分かりましたが、いったいどれくらい摂ればよいのでしょうか。

1日の摂取量は、健康な成人の場合、男性で7mg、女性で10mgとされています。

肝機能に障害がある人の場合は、これより少なく6mg以下にすることが望ましいとされています。

ただし、あまり気にして鉄分を摂らないと、逆に鉄欠乏性貧血に陥ることもるので注意が必要です。

鉄の吸収率に影響する2つの成分

タンニンは非ヘム鉄の吸収を妨げる!

今まで単に「鉄」と言ってきましたが、鉄には動物性の食品に含まれるヘム鉄と、植物性の食品に含まれる非ヘム鉄の2種類があります。

タンニンは鉄の吸収を阻害する働きがあるといわれますが、阻害するのは非ヘム鉄に対してであり、ヘム鉄に対してはあまり影響がありません。

さらに鉄の吸収率はヘム鉄が非ヘム鉄よりも高いので、鉄の吸収量を減らす目的でタンニンを含むお茶などを一緒に飲んでも、もともと吸収率の低い非ヘム鉄の吸収を阻害するだけなので、あまり効果はありません。

しじみに含まれる鉄は、肉や魚など動物性の食品に含まれるのでヘム鉄に分類されるとされていますが、ヘモグロビンを持たないため、非ヘム鉄に分類されることもあります。

分類が明確でないということは、同時にお茶やコーヒーを摂ることの影響も明らかになっていないということなので、肝疾患のある人は控えた方が良いでしょう。

ビタミンCを含むフルーツなどは食後しばらくしてから

逆にビタミンCは鉄の吸収を助ける働きがあります。

そのため食後すぐにデザートとしてみかんやキウイ、イチゴなどビタミンCを多く含む果物などを食べると、摂取した鉄を効率よく吸収することになるので注意が必要です。

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